ONE's CUBO 構造見学会を実施して・・・

7月8日(土)9日(日)は、弊社のONE's CUBOモデルの構造見学会を実施しました。

これまで完成見学会は、数多く実施してきましたが、構造見学会は、開催しても来場される方も少なく、「完成じゃないのね。」「イメージがわかないね・・・」というご意見をいただくことが多く、なかなか次もという踏ん切りがつかずに開催せずに来てしまったところがあります。

しかし、今度のモデルは、是非、構造からみていただきたいという意気込みで、来ていただきたい方を想定し、その方々が「家づくり」に参考にしていただきたいいくつかの情報発信をチャンスに出来たら、開催価値が必ずあるはず!と、準備を進めてまいりました。


今回発信したかった、家を考える際に考えたい重要な要素の一つに「構造体」があります。


今日は、木造軸組み住宅の「構造材・構造体」について書かせていただきます。

 

木造軸組みの建物の「構造体」は、無垢材のみを使用したもの、集積材のみ使用したもの、その両方を組み合わせて使用したものが、あります。

また、構造材の結合部に関しては、伝統的な「仕口」といわれる、「ほぞ」「ほぞ穴」「継ぎ手」接合方法を、大工の棟梁が手仕事で仕上げる建物。

その「仕口」の加工を「木材プレカット工場」という図面をコンピュータ入力すると機械が、ミリ単位で正確に削り出して出荷してくる構造材を使用する建物。

また、「木材プレカット工場」で構造材にスリットと穴に金物やドリフトピンといった金物を用いて、接合部にかかる力を受ける工法の建物があります。地震に対して優位性があると言われています。

伝統的な工法も、金具やボルトを併用して、大きな地震に備えることになっているのは言うまでもありません。

構造材として使用される木材は、集成材を使用する建物がかなり多くなっています。

その理由は・・・

木材の「含水率」という聞きなれない言葉があります。簡単に言えばどれぐらいの水分を含んでいるか?という事です。「含水率の高い木材」は、「縮み」「ねじれ」「反り」「割れ」のリスクが高くなります。

材木屋さんから提供される、木造建築用の構造材には、無垢材は、JAS規格で18~20%とされており、これに適合した「含水率」の木材が、使用されます。一方、「集成材」は、「つなぎ合わせた感」がありますが、木の持つ癖「縮み」「ねじれ」「反り」を抑えることができ、製造過程で、「含水率」をJAS基準より低含水率の材料を組み合わせて、製品化しています。

また、「無垢材」では、「節」の少なさが良し悪しの基準として注目され「無節」は特にその美しさから高評価になります。また、「節」の部分に強い力が加わると、その大きさによって「無節」木材より折れやすい面があります。しかし「節」は絶対ダメというわけではなく、基準をクリアしていれば、構造部材で使用されることもあります。壁の中に隠れてしまう部分に使用されるならば、見えるのは上棟直後までであとは、目にしない事になります。また、「無節」に見えても見えない奥に存在している場合もあります。


強度の安定面では、「集成材」には、ばらつきが少ないのも事実です。和室に表しの柱、鴨井、敷居、長押といった和室材も、美しい単板(表面材)で和風を演出することも可能です。こういった理由から、多くのメーカーさんや、ビルダー(工務店)さんの使用率が高くなってきました。

お断りしておきますが、ベテランの材木屋さんと、大工棟梁が厳選した「無垢材」で造られた、和風建築は、その風合い、本物の雰囲気は、傑出したものがあることは言うまでもありません。無垢材には無垢材の良いところがあります。樹種(檜、杉、松、欅、栂、などが一般的ですが)によって、完成後、木の香りが立ち込め、経年美化も日本人に生まれてよかったな・・・と思わせてくれる、「味」だと思います。

無垢材、自然素材を前面に押し出した家づくりをする建築家、工務店も以前よりずっと増えていますし、アレルギーなどを家族に抱えられているご家庭では、「無垢・自然素材」のニーズの高まりも事実です。


建物の「構造材」一つをとってみても、「家」に対する価値観によって、選択肢があるという事です。


今回、HOLOS HOMEが提供することになった、ONE's CUBOに使用するJWOODは、LVLという単板積層材と呼ばれる製品で、一般的な集成材より低い「含水率」8~10%の状態で出荷されてきます。この数値は、「縮み」「ねじれ」「反り」の心配はほとんどないレベルになっています。

この「構造材」と「接合金物」の組み合わせで出来た「構造体」は、「耐震等級3」「劣化対策等級3」共に最高等級を獲得しています。安心してお住い頂ける「住まい」をお届けいたします。

こういった建物でありながら、自然素材を体感できる建物であることは、また、書かせていただきます。

 

成田

 

 

 

 

 

2017年07月13日